空の軌跡 FC/SC/3rd 感想(ネタバレなし)

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まさかのブログ更新

やっと空の軌跡3部作をクリアしました

ありがとうございます。10か月くらいかかりました。クリアした後味が結構よかった(特にシナリオ)ので記録として残します。人生何でも記録として残しておくべきです。ネタバレは極力ないように心掛けますが、シナリオに触れる便宜上多少抵触してしまうかもしれません。ネタバレ込みの評も気が向いた時に別記事に残します。

ゲーム内容については省きます。知りたい人はプレイしてください。PCでもPSPでもできます。

以下感想、FC/SC/3rd通してです

☆シナリオ

文句なく良かったです。チュンソフトにありがちな「こ、こんなどんでん返しが~~~~~~~」というモノでもなく、岐阜一みたいに尖りに尖らせたイロモノというわけでもなく、ただひたすらに高品質なシナリオ、という印象ですね。脚本の構成も(FC/SCは)緻密に練られていますし、冗長で無駄が多いという印象もなく洗練されていたと思います。

思えば本来RPGでの「シナリオが良い」という評は上述のような「品質の高さ」を指していたいた気がします。現代ではRPGは控えめに言ってもオワコンジャンルで、多くのJRPGデベロッパーに他ジャンル(アクション・FPS等)での映画のような瞬間芸術としてシナリオを昇華させるのは無理があるのはわかります。じゃあ脚本で攻めるのであればどう攻める?というとき、奇をてらってユーザーの度肝を抜く、もしくはキャラ描写に特化するという手法に落ち着きがちであると(僕は)思いますが、空の軌跡は系としてのシナリオ(シナリオを支える設定・キャラクター・世界観など)が本当に良くできている、という点で高く評価できると思います。腰の据わった良質シナリオ、という感じですかね。あと単純に僕が戦記モノが好きというのもあるかもですが…。

話の展開という面ではSCに比べるとFCは若干探索メインなのもあって単調になりがちです。目的意識もないので、そこを求めると序盤はしんどいかもしれません。でもそれはSCとの比較だから出る批判でもあります。SCは本当にのめり込んでプレイできます。とはいえ中盤は若干ダレますが、全くダレないRPGを作るにはオムニバス形式にするしかない(持論)ので、一本道RPGでは屈指の引き込み具合です。キャラそれぞれの行動理念が明確に描かれるのがSCからで、それが明らかになるあたりから一気に面白くなります。

こういう戦記*ファンタジーで類似作品があるとすればやっぱりFFTですね。僕と普段話す人はお前何回FFTの話するんだよって感じかもですが、やはり近いと思います。ただFFTも洗練さという意味では(それでも相当練られていると思いますが)軌跡よりは劣るかもなと感じています。FFTはぶっ飛んだシナリオの中でイヴァリースの世界観はかなりよく作り込まれてますが、序中盤の系譜が終盤投げっぱなしなので系としての練度は低めなんですよね。でも制作にあたり意識している点は近そうです。コンセプトは違えど特徴はタクティクスオウガの方が近そう。この辺松野氏のインタビューによく書かれてるので一度読んでみるとよいです。 https://news.denfaminicogamer.jp/interview/180522

ただこれはSCまでの話ですね、3rdは補完という感じです。ただ他の2作のEDがウオオオオオオオオオオオオ~~~~~~~~~~~つづく!!!!!って感じなのに対して3rdはかなり丁寧に幕引きが描かれたので、そこにたどり着いて欲しいという意味では3rdもプレイしてほしい、という印象です。

まとめると、伏線回収!度肝を抜く展開!はないが、良質なシナリオRPGをプレイしたい。そんなアナタにオススメです。

☆システム

僕はPC版をプレイしましたが、PCに最適化されたRPGはこんなにも快適なのかとたまげました。マジでUI、戦闘、移動、買い物、全てが超快適です。他のRPGではコンシューマー移植版が基本だと思いますが、空の軌跡まで(零からは移植)はPCを念頭に置いて制作されているらしく、全くのノンストレスでプレイできます。とりあえずこの快適さを誰かに体験してほしい。本来RPGのシステムなんてマウスで操作した方が早いに決まってるという忘れていた真実に気が付くことができます。なんだかんだ130時間くらいかけても3rdまで完走できたのもこれが大きい点である気がします。

ゲーム進行的なシステム面でいうと、RPGにありがちな無限おつかい地獄という印象はあまり抱かなかったです。まあもちろんお使い的イベントもありますが、割合としては許容です。サブクエもいっぱいあるので、お使いしたい人はお使いもできます。後述しますが、全体的に旅している感があるいいバランスだったと感じます。

☆戦闘

正直最初はちょっと冗長な戦闘システムだと思っていましたが、慣れると案外悪くないです。適度に戦略性がありながら適度にゴリ押せてちょうどいい。バランスも崩壊しているとは感じませんでした。でもSCの途中からプレイヤーに選択肢がありすぎてゴリ押せる場面が増えましたね、まあこれはRPGの定めでもあるのですが…。逆にFCの序~中盤は消去法の選択を迫られるのでかなりキツいです。

リヒトクライスありきの戦術

オーブメントで使える呪文が変わったり能力が変動するシステムは最初複雑すぎてめげそうになりましたが、慣れると奥深く良いシステムです。セピスさえあれば、オーブメント次第でキャラ性能のギャップをかなり埋めれるのもよい。でもやっぱ複雑すぎて取っつきにくさの方が勝つかも…。

空の軌跡SC その2: 西へ東へ
むずいねん

☆グラフィック

15年前のゲームだしグラはまぁ…と言いたげなそこのアナタ!僕は空の軌跡のグラフィックは結構良いと思っています。というのも、当時PSPクラスのグラフィック性能の中でこれだけ異国感とか街の雰囲気を演出できているのは結構凄いことだと思います。寧ろ現代のゲームでも街がないがしろにされてる例をJRPGではよく見ます。キルヘン・ベルとか…悲しくなっちゃいますよね。

英雄伝説 空の軌跡FC:改 HD EDITION | ソフトウェアカタログ | プレイステーション® オフィシャルサイト
十分じゃね?

人が少なすぎる

個人的に街の描写というのはとても重要で、街も複数あった方がいいと思っています。なぜなら現実でもゲームでも初めて行く街はドキドキするので、そのドキドキの結果何の変哲もないコピペシティだと半端なくガッカリしてしまうからです(僕の場合)。軌跡はその街の描写が大変上手く、街特有の文化とか活気とかが絶妙に伝わるようなデザインになっています。工房都市、商人の街、軍事都市、いろいろあります。

また、グラフィックは関係ないですが、NPCの会話内容が尋常じゃないくらい作り込まれています。町ごとの特色を反映した会話内容になっていて、さらにイベントを少し進めるごとに会話内容がかわる。そして起こったイベントに応じたサブクエの粒度が非常に細かい。軌跡をプレイするまであまり意識しませんでしたが、こういう細かい点がシナリオを支える面で結構重要な役割を果たしているな、と感じました。一本道だからと言って、その一本道さえ描けばいいというワケでもないんですね~

PS3 空の軌跡SC~大雑把に最終章まで駆け抜けたぞッ!~ | ネット活動.com
個人的に好きなボース市長のサブイベ

空の軌跡のグラフィックを見て「映画並みだアアアアア!!!」と感動することはないですが、上述の細かい描写も含め、絶妙に旅している感が演出できているいいバランスだったと思います。リベールいい国だなって思いますもんね。遊撃士にはなりたくないですが…。

☆音楽

これも文句なく良いですね。3rd>SC>FCと作品を重ねるにつれて良くなっています。銀の意思が有名ですが、3rdで執事と戦うときのBGMが個人的に好きです。

☆その他

前述のオーブメントシステムですが、これはゲーム内容にとどまらず作中の設定やシナリオを果たす上で重要な役割を持っています。これがまたスチームパンクな感じで大変よかったです。ゲームのシステムとシナリオがリンクする例って珍しくはないはずですが、ここまで上手く機能している例は稀であると思います。

☆ 3rdについて

結構ここまでべた褒めですが、3rdに関しては多くが当てはまらないです。3rdはダンジョン探索のシステムになっています。もっと言うとSCでもマップは使いまわしなので、旅している感の瞬間最大風速はFCで終わりです。ダンジョンシステムは僕には合わなかったですね…軌跡のせっかくの魅力である街や人の描写がまるまる無くなってしまい、1つの変哲もない拠点との往復となるので作業感が前2作に比べて強いです。

でも扉エピソード各種は各キャラシナリオをきっちりと補完していますし、ケビン神父主体のシナリオも、終盤はかなりよく一気にやってしまえたので、やる価値はあります。

最序盤もいいね

☆キャラ

英雄伝説 空の軌跡SC(ナイトメア)~5章17(アガットとティータ)~ - YouTube

クソガキの時代は終わり。令和の覇権はいい子。

おわり