チラムネ擁護戦線
チラムネアニメ13話完走お疲れ様でした!!!!!
汁でも大人気、福井の俺ガイルことチラムネ、2期もやるらしいので楽しみですね。久々にレビューを書きます。なおラノベに関しては本当に読まないので浅っいレビューになってしまっているところには留意願いたい。
この記事はシンエヴァンゲリオンのネタバレを含むので注意してください。(チラムネのネタバレは特にありません。)



ここではチラムネの良いところ、楽しめるところを説明する。
作品を読むにあたって重要なキャラはやっぱり悠月になってくるがキャラとして共感?できるのは圧倒的に陽である。世間人気は悠月らしい。
チラムネアンチ界隈の存在
チラムネのいいところを語るにおいて、チラムネアンチ界隈の存在について説明する必要がある。主にYoutubeに徹底的にチラムネを読み込んでその上で批判するアンチ界隈が存在する。いわゆる叩くために読む人たちである。批判的に聞こえるかもしれないが彼らの洞察は的を得ておりかつ界隈内でも意見はある程度統一されている。いくつか有名なチラムネアンチチャンネルを紹介する。
https://www.youtube.com/@%E3%82%A2%E3%83%8A%E3%82%BF%E3%82%AB
https://www.youtube.com/@%E3%83%88%E3%82%AF%E3%83%8A%E3%82%AC-q6z/videos
特に3本目の「トクナガ 氏」の考察は相当に的を得ているので、おすすめである。詳細はこのブログの末尾に書くが、特に下2つはチャンネルそのものの最初の動画がチラムネの解説という、ある意味チラムネ解説特化と言えるYoutubeチャンネルである。

先に言っておくと、チラムネは良くも悪くも「語りたくなる」不思議なエネルギーを持っている作品であることは間違いない。
アニメのアニメ部分は良い
これはあんまり語る意味がある部分でもないので軽く済ませるが、アニメのアニメたる部分、すなわち演出や作画は言うまでもなく良い。外でバスケするシーンのカメラワークとかもよく描写のクオリティ自体は高い。あとはキャラデザ自体も結構いいですよね。
シナリオの切り取りかたは良くなかった、原作に無駄に超忠実で、原作にある不要であるとしか思えない茶番やポエムがカットされていなかったりする。1-4話は意外と悪くないが、5話以降は特に原作の悪い部分をそのまま描きすぎているようには感じた。
テーマは良い
まずチラムネで一つ言えるのは扱っているテーマ自体は良いということである。作品内では「相互理解」というワードが特に序盤で頻出するが、冒頭の千歳の語りでもあるように描かれているのは外面的な見え方と個人が抱える内面的なもののギャップ、すなわち外からの偏見にどう抗うか、というところにある。
例えば、千歳は学校裏サイトでボロクソに偏見まみれで悪口を言われているが、実際はその裏に熱さや努力があるというようなシナリオ展開が1巻で広げられる。ある意味逆冷笑主義的で、現代にマッチしたテーマであると思う。
これは個人的には高校時代を舞台とした作品のテーマとして、真新しくはないがリアル路線で行くのでは順当にいいものであると思う。特に現代が舞台のアニメやラノベ等サブカル系の作品はある種のニヒリズム的な価値観がベースになっているのがスタンダードになっている部分がある(勝手な理解です)ので、単純に主人公が現代を舞台に偏見に抗って頑張るというキャラ設定は一周回って新しさもある。こういうステレオタイプな主人公像は個人的には辟易している部分があるので、この逆冷笑主義的なテーマを真正面から描くような作品自体は存在してほしい。
また作者的にはどう美しく生きるかというようなこともテーマになっているのだと思う。ラムネ瓶が~みたいな話はここのテーマに対応するのだと理解している。しかしここに関してはシンプルに表現に失敗していると思うので語らない。どういうことかというと美しく生きるという割に行動原理に一貫性がなかったりブレブレなのでダメである。
一方でキャラの内面の描き方はかなり薄く、浅いと言わざるを得ない。特にキャラ描写としては村上春樹先輩が千歳の思想にとって重要な存在、所謂クロスチャンネルの七香のようなポジションを期待していたのだが、本当にただ村上春樹風なだけで物凄い低次元な悩みや困難に直面していたのは残念だった。いや、それ自体に否定はしないのだが、序盤でああいう登場の仕方をされると、千歳の内面や行動を導くようなある種超越的な存在であってほしかった。この考えは90年代すぎるか…
伏線張りは緻密
長ったらしいポエムやくだらない内輪のやり取りばかりが目に行くが、キャラの描写や心情自体に無意味な描写は実はあまりない。前半で語られるポエムや描写が後半のキャラクターの行動に繋がっていることがほとんどで、そのような対応を探すゲームブック的な楽しさはあると思う。
例えば、2巻の冒頭で悠月のポエムで仮面を例に出すものがあり、これは2巻で描写される悠月の内面と繋がっている。このように文章自体は考えて作られているとはいえると思う。
じゃあ何がダメか
千歳がウザいとか、キャラが薄いとか、ポエムがきもいとか、千歳がウザいとか、エロがさすがに下品すぎるとか、リア充の解像度が低いとか、千歳がウザいとか色々言われている。それはまあそう(そうなのかよ)なのだが、やはり特に気になるのは舞台装置があまりにも都合よく動きすぎである点である。1巻で出てきたオタクグループ、2巻で出てくるDQNなどモブキャラが特に顕著なのだが、作者が描きたいもののためにこのような舞台装置がおあつらえ向きに出現し、キャラの主体性がなくただ主人公グループを絶対的正義として対照的に描き、制裁される。という都合が良すぎる展開があまりに多い。これを界隈ではチラムネ展開と言われている。このような舞台装置として出てくるモブに意思や行動原理はなく、描写としても薄っぺらく感じてしまう。また、クラセンが特にそうなのだがリアル路線でいくならそこをスルーするのはさすがにおかしいだろというような不自然な描写が多すぎるのも気になる。例えば悠月がストーカー被害にあってたりってどう考えても警察に相談するか、もしくはそうできない理由を読者にも納得感のある示し方をする必要がある。だがチラムネではそこは余りにも不自然にスルーされてしまうのである。また、他のキャラやモブがブチギレてもいいような行動に対して不自然にスルーしたりというような前述のテーマを描く過程があまりにお粗末である。
つまり、舞台装置が描きたい方向のために余りに恣意的にに動いており、さらにそれが隠せていないところが問題だと思われる。
上記の動画で、チラムネを楽しめるのは「微視的な視点」で作品を見る傾向にある人間、楽しめないのは「巨視的な視点」で作品を見る傾向にある人間であるという考察がなされている。巨視的な見方は物語の展開をマクロで捉え、その中での整合性や納得感を飲み込んだうえで作品の満足感を得たり得られなかったりするパターンである。エヴァでいうと、シンエヴァの終盤、結局投げっぱなしでなにも納得感得られないからクソですよね、という見方である。微視的は僕の言葉で言うとよりその場の勢いやライブ感を重視して細かい整合性とかどうでもいいですよね、という人たちである。エヴァでいうと、シンエヴァの終盤の戦闘は全く緊張感がないしエンタメとしてダメ、だからクソですよね、という見方である。

僕はかなりライブ感だったりその瞬間見て満足感があったか判断するタイプなので微視的な見方を持つ人間である。このカテゴライズではチラムネを楽しめる側の人間ということになる。
しかしながら、いやこの展開はさすがにおかしくない?という人間の中の巨視的な着眼点を搔き立ててしまう、それがチラムネなのである。そのくらい普段作品の消化において整合性を気にしない人間でも違和感や疑問が残るのである。ここまで説明してきたように、あらゆる事象に対してあまりにも納得感が薄すぎるのである。
これが、アンチ的活動を盛り立ててしまう要因であると思われる。下記のように一般的な感想動画が投稿されているチャンネルでもチラムネの感想動画が圧倒的に伸びている現実がある。

前述のテーマ性や伏線の他に、違和感などアンチ的な視点でも語りたくなってしまい、つい解説動画を探してしまう、それがチラムネなのである。
無価値な作品ではない
アンチ動画制作者も口にしているが、チラムネ自体は問題の多い作品ではあるがそれに対して考察したり議論すること自体は楽しいという言説がある。良くも悪くも考える余地がある作品や正も負も求心力がある作品であることは確かであり、無味無臭な作品ではない。
僕自身は自分はライブ感を重視するんだ、だからダラダラレビューや作品の文句や粗探しをするのは恥ずかしいことなんだと10年自分に言い聞かせて、高校の頃とかにやってた書籍やゲームのレビュー(初出し情報)をめっきりしなくなっていた。そんな自分にこのように作品について考えるエネルギーを生み出すというのはある意味凄い作品であると言っていいと思う。実際チラムネアンチYoutubeチャンネルの人たちは間違いなく今までレビューをしたことがなく今回が初めてという人間ができるレベルの洞察を超越しており、彼らにチャンネルを新たに作って語らせてしまうという不思議な原動力を持っている作品であるということは確かであろう。
いきなり槍玉に上げて申し訳ないが、最近よくあるシャフト系(シャフト自体を悪くいっているわけではない)の奇抜な演出だけで取り繕っているような作品よりは全然好みである。
てかそもそもアンチでもヨイショでもどんどん言葉としてまとめていくべきなんですよね、それに気づいたのも日記を書いているモチベの一つなのである。
おじさんはすぐ、忘れてしまうから__________