麻婆豆腐設計論

へい!

エストニア在住の陳亜汁です。

皆さん麻婆豆腐は好きですか?好きですよね。

現代に生を受けた人間で麻婆豆腐が嫌いな人間は存在しないでしょう。それだけでなく、自分のレシピとして拘って極めていくという所に漢の矜持があるのではないでしょうか?

僕も長年作ってきたのですが、ついに一つの到達点に達したと感じるので共有します。エストニアでも作れます。

設計

タイトルにあるように、これは料理ブログというより設計論的な側面が強いです。何故かというと、僕の麻婆豆腐は長らく旨味や味の複雑さはあるのですが、どうも本格的な店で食うようなものとは違う、美味しいのですが、”これはこれでうまい“的な領域を出れずにいました。

結論から言うと、そもそもコンセプトレベルで間違っていた点です。元々の僕は肉や豆腐、醤油など食材の旨味を凝縮するような麻婆豆腐を目指していました、が、これが間違いでした

麻婆豆腐は豆板醬と花椒を食べる食べ物です。

なのでそこに肉や豆腐の雑味が入りすぎてはいけないのです。というわけでひき肉も旨味が強い豚肉を使っていましたが、牛ひき肉を使ってください。でもこれ本場四川では元々牛ひき肉らしいですね。ガチの四川料理が食えると噂の晴々飯店でも牛肉でした。中華圏の動画では牛肉を包丁でミンチにするとこからやっていましたがさすがにそこまでは試してないです。

何で緑色なん?

なので、陳亜汁式麻婆豆腐では如何に醬の味を引き立たせるかという一点にのみ焦点を当てて作っていきます。他は適当です

一方で、テクニックや工程的な部分に関しては割と陳健一の動画のセオリー通りです。麻婆豆腐はいろいろ動画が上がってますが、結局健一のものがベースになっていますし、結局のところそれがマルいので健一+α程度でやってます。

実践

漢なので分量とかはないです

まずどこの家庭にもあるピーシェン豆板醬です。小岩の中華食料品店で売ってるので買ってください。ピーシェン豆板醬は3年熟成の黒い豆板醬で、辛みを犠牲にコクが段違いです。この恋する惑星時代のフェイウォンみたいなねーちゃんの奴が安いし良いです。中国人Youtuberもこれだった。

豆腐はエストニアにロクなのないのでこれにします。これ幾らすると思います?750円です。牛ひき肉より高いってマジでどうなってんの?日本で買うと常温保存可能な奴が150円くらいっぽいので今度密輸します。

甜麵醬はエストニアであんまり売ってないので海鮮醬で代用します。これ3代目ですが海鮮醬が何なのかは未だよくわかっていません。豆鼓はもっとないので日本から持ってきました。

ラー油はこのオッサンマークのやつを使ってます。エストニアではこれ一択なのでこれを使っていますが図らずも市販で手に入るものの中で今まで買った中で一番美味い気がします。けど麻婆豆腐に関しては最初の油を作る工程で即席ラー油みたいなものを作るので、必ずしも必要ではないです。

これは肉大杉で失敗してるのでこれよりは減らしてください

まず牛肉を油で炒めていきます。この時油は多すぎるだろ…って思う量よりさらに多いくらい入れてください。ひき肉から油って意外と出ませんし、麻婆豆腐はヘルシーな料理ではありません。塩胡椒で下味はつけなくて大丈夫です。塩味は豆板醬でつけます。

本来は別のフライパンですべき工程だが、洗うのがだるいので

そしてここが最大のポイントなのですが肉がある程度炒まったら、肉から出た油をフライパンを傾けて別のところに寄せ、油の香り着けをしていきます。ここではどこの家庭でもある花椒(ホール)と大量の粉唐辛子で香りと辛みを付けます。ピーシェン豆板醬はあんまり辛くないので、多めに入れて良いです。油の温度は既に高いはずなので、パチパチ言ったらそれでいいです。花椒の量は研究中なのですが、結構多めに入れてもいい気はします。

ここで豆板醬を入れ油で沸かし、香りを立たせます。焦げる直前くらいがいいです。豆板醬の量はケチってはいけず、塩味を決めてしまう勢いで入れてください。計ってないですが多分大さじ3.5くらい入ってます。僕はピーシェン豆板醬と普通の豆板醬を3:1くらいの割合でブレンドしていますが、粉唐辛子が多ければピーシェン豆板醬だけでもいいと思います。

良い頃合いで肉と混ぜ合わせ、このタイミングで甜麵醬、豆鼓、ショウガ、ニンニクを入れます。ここで甜麵醬は世の中のレシピではまあまあな量入れるのですが、ピーシェン豆板醬を使う場合はやや少なめでいいと思います。この量でも大さじ一杯の半分に届かない程度です。甜麵醬は焦げやすいので気を付けてください。

キッチンが汚い

ここで鶏がらスープを入れます。かなり豆板醬の塩味が効いてるはずなので、軽くヴェイパーを入れるくらいにしています。水の量自体は麻婆豆腐は飲み物派閥の人間なので多めです。このタイミングで豆腐も下茹でしておけるといいです。豆腐の下茹での有無はある種宗教論争的なのですが、僕はした方が良いと思う派です。というのもエストニアで買える豆腐はかなり豆の味が出るので、味わいをクリアにするためにも下茹でしておきたいという意味合いが強いです。日本で豆腐を崩さない自信があるならしなくてもいいのかもしれん。健一は茹でろと言っています(夢女垢)。

ここで豆腐を入れる前くらいで味見をし、ここで味は濃すぎるくらいがいいので、ちょっと薄いなと思ったら醤油を入れます。だいたい強烈に豆板醬の味が来るので気持ち程度でいいはずです。味にパンチがないな等思ったら適宜味の素等入れてください。

豆腐を入れて素早く混ぜ込みます。ここでポイントなのですが、この設計で作る場合はダラダラ煮てはいけません。ここで煮すぎると言語化が難しいのですが、味から角がとれスープ的な味わいに近づきます。混ぜ終わったら水溶き片栗粉とニラを入れ最後に強火で火を入れます、これもちょっとでいいです。ニンニクの葉が使うのがそりゃいいんでしょうけど、エストニアでは当然ないのでニラで我慢します。

最後に花椒を思ってる3倍、胡椒とラー油を少々いれます。

かんせ~い

うまい!